


wattXplorer(ワットエクスプローラ)導入事例
旭光電機株式会社 本社
旭光電機株式会社 本社のご紹介

本社には技術部と総務部があり、写真左側の建物にはオフィスや会議室が、右側の建物には実験室があります。
技術部では2次元・3次元CADや3Dプリンタを始め、
様々な開発ツールを駆使して日々独創的な開発テーマに取
組んでいます。また、近年では「IoT」分野にも力を入れて
おり、IoT製品の売り上げが着実に伸びています。
2025年からは、お客様のお困りごとに対してDXソリュ
ーションを提案する専門部署「DXソリューション部」を新
設し、様々なお客様に最適な解決策をご提案できる体制を
整えます。
総務部では、経理、人事、法務、各部署のサポートなど
多岐に渡る業務を円滑に進めるため、各分野のエスパー
トを揃え対応しています。また、昨今の脱炭素社会の流れ
を受け、総務部主導でCO2排出量算定も始めています。
それでは、当社総務部長のインタビューご紹介いたします。
脱炭素の取組みを始めたきっかけ
2023年に得意先様からCO2排出量のモニタリング方法について問い合せがありました。当時は本社、明石工場、大久保工場の電気、ガソリン、軽油の使用量は記録していましたが、CO2排出量は算定していませんでした。この問い合わせをきっかけに、各拠点のSCOPE1、SCOPE2を洗い出し、前月や昨年同月との比較を始めた結果、各拠点いづれもSCOPE2が90%以上を占めていることが分かりました。SCOPE2の大半は空調関係が占めていると感じていましたが、それを確認できる適切なソリューションが無く、全容を把握できない状態が続きました。
wattXplorerに期待
当時の技術部長(現和田社長)は、神戸市で開催されたコンソーシアムや各工業会の会合などに積極的に参画し、脱炭素社会の流れが中小企業にも及ぶことを察知しました。そのソリューションとして、既存設備に後付け、簡単設置、可視化画面提供など、中小企業でも導入し易いトータルパッケージサービスの開発「wattXplorer」に着手しました。このコンセプトは令和4年度の経済産業省GO-TECH補助事業に採択され、開発が一気に加速しました。 総務部としても、各設備のCO2排出量(消費電力量)が分かる適切なソリューションを待望していたため、このwattXplorerにはとても期待しています。CO2排出量は目に見えないため、どの設備からどれだけCO2が排出しているか分かりにくく、分かったとしても数値の羅列だけでは直観的に理解しにくいです。wattXplorerの可視化画面は、各設備や工場全体のCO2排出量をリアルタイムでグラフ表示できるので、社員が直観的に理解でき、節電意識がより高まることも期待できます。 また、昨今のエネルギーコスト上昇に対しては省エネ設備への投資や節電が必要です。各設備にwattXplorerを設置することで省エネ対象設備の優先順位が明確になり、対費用効果の観点からも省エネ活動が進められると考えています。

専門家によるCO2排出量の見える化
2024年には脱炭素社会への急激なシフトを改めて実感し、当社も本格的に脱炭素への取り組みを始めました。まず、CO2排出量を見える化するために、経済産業省資源エネルギー庁の「地域エネルギー利用最適化取組支援事業」(省エネお助け隊)を活用し、専門家に各拠点を視察してもらい省エネ診断を受けました。その結果、やはりCO2排出量の大半は空調によるもので、その割合はCO2総排出量(SCOPE1+SCOPE2)の85%以上でした。
wattXplorerのおかげで省エネに道筋が見えた

以前から室外機が汚れていると消費電力量が多くなると聞いていました。また、省エネ診断士からも同様な知見を得たため、実際に室外機を洗浄することで、どの程度省エネ効果が見込めるのか確認するため、本社の空調にwattXporerを設置して実証実験を行いました。その結果、実に23%の省エネ効果が確認できました。この結果を基に工場長と共に全拠点の空調や設備にwattXplorerを設置し、更なる省エネに取り組む計画を進めています。 また、2025年1月には得意先様より、サプライヤーモデルとして当社のSCOPE1,2,3の算定を共に実施したいとお声がけを頂き、得意先様と歩調を合わせてCO2排出量算定を始めています。設備ごとにwattXplorerを設置すれば、CFP(カーボンフットプリント)などの算定も可能となり、得意先様の要求には100%以上応えることできると考えています。
今後の展望
中小企業基盤整備機構様の支援を受け、GHGプロトコルに基づいたCO2排出量削減計画『2030年までにCO2排出量を50%削減(2018年比)』を立案しています。 この計画を達成するためには、まず主要設備のCO2排出量を見える化することが重要です。そのため、wattXplorerを設備ごとに設置し現状を把握していきます。現状把握後は、対象設備を選定して省エネを推進し、太陽光発電や再生可能エネルギーの電力購入も視野に入れ、CO2排出量の削減を進める予定です。 また、会社補助のもと、環境省認定制度の脱炭素アドバイザー資格を4名の社員に取得頂き、これを皮切りとして脱炭素社会への社内体制を構築していきます。
導入事例
空調設備の見える化
経緯:本社移転から約5年。その5年の間に隣の建屋の取り壊しとマンション建設工事があり、 室外機が非常に汚れていました。 室外機の洗浄が省エネ効果に繋がるとの情報があり、空調設備の分電盤にwattXplorerを 設置し、消費電力量とCO2排出量のBefore(清掃前)・After(清掃後)の比較を行いました。



Before(室外機清掃前)・After(室外機清掃後)の比較


CO2排出量(消費電力量)が 23% 改善

CO2排出量が見えると利益に繋がる